4度目の尾道  初日  高見山へ ②

島の山の良さと登り方
 尾道へ通うようになって判ったことですが、瀬戸内の島の山は、標高は低くても、周囲が穏やかな海で島が多いですから、素晴らしい眺望が得られ易いと言う嬉しさがあることでした。
 そのかわり、海岸から一気に登ることが多いですから、急ぐことなく、ペース配分に気をつければ、バテることなく、余裕を持って山頂に立てます。
 それと、急斜面で、風化している地質が多いですから、下りは、ゆっくりゆっくりです。
それでも、内陸部の1000m以上の山登りと比べたら、ゆとりがありますから、その分、下山後に島を歩いたり、特産品を味わうことが出来ます。
 近くに銭湯や温泉があれば、入って来るのも良いかと思います。

 (注) 島の山でも、利尻島や、屋久島の山などは標高がありますので、内陸部の2500m以上の山に登るのとかわりませんので、それなりの体力や、技量と、時間的ゆとりなどが求められます。

どの島の、どの山へ登るか
 やまねの場合、はじめに20万分の1の地形図で、周囲にどんな島があるかなどを参考に、得られる眺望を予測して、行きたい島を選定します。
 候補の島が決まったら、島単位で、1/25000か、1/12500の地形図を見ながら、山の形、高さ、見えるであろう景色を頭に描きながら、登りたい山を選びます。
 三角点がある山なら、ない山より優先させ、出来るだけ高い山を目指します。(何とかと何は高い所が好きと言いますね。)
 ルートは、地形図の道のあるなしは参考程度にし、尾根筋のコースが取れるかを検討します。
なぜ、道を参考程度にするかと言うと、地形図に載っている道でも、廃道近かったり、地形図にない道が存在するからです。 山は、コンパスと地形図を持ち、地形を読んで歩けば、よほどの所でない限り歩けます。 
 次に、その島への船やバスなどのアクセスを調べ、控えておきます。
歩いていける所は、極力歩きます。なぜなら、得られる情報と、楽しみも多いからです。

いよいよ高見山へ
 高見山は、向島にある民宿・B&B潮風の女将さんに、同宿の方々と車で何度か連れて行っていただき、その眺望の素晴らしさを知っていました。
 そして、歩いて登るルートのことも聞いていましたが、中々果たせず、今回、初めて歩いて登ることが出来ました。
予定したルートは、高見山の南側の立花海岸から登り、北の洋らんセンター側へ下り、Pacu Pacuさんのカレーを食べて、小歌島のB&B潮風さんまで戻るものです。
 ウォーミングアップは、小歌島~田尻~江郷~江奥~干汐~立花(沖条~岡条)と、7Kmほど歩いていますので十分と思うものの、高見山の南側は急斜面ですので、ポレポレ(スワヒリ語で、のんびり、ゆっくりの意)で登ります。

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    (写真の上でクリックすると大きな写真になります。以下同じです。)
 ↑ 番外札所の傍の階段を上り詰め、車道に出たところで後ろを振り返えったところです。山を降りて来る人には、水路に見える不思議な道でした。
 外来種のギンヨウアカシア(ミモザ)が黄色い花を一杯付け、重さで枝が垂れていました。
国立公園である高見山に、なぜこのような外来種が植えてあるのでしょうか?
向島には昔からあった素晴らしい木々がたくさんありますから、それらを大切にしたいものです。
私たちのように、他所から来た旅人(登山者)にとっては、その地方特有の植物を観るのも楽しみの一つなのです。
 林道工事でむき出しになった山肌の緑化木としての選定なのでしょうか? あるいはどなたかが勝手に良かれと植えられたのでしょうか?
 成長は、日本の木にはない速さですが、それだけに、風に弱く、倒れたり、枝が折れやすい木なのです。
その上、花粉症の原因木にもなりますので、植えるべき木ではないのですが、名前から来るイメージで植えているとしたら悲しいことです。

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 ↑ 階段になった山道は、車道と交差して更に上へ伸びていました。 最近はほとんど歩かれてないと見え、上の方は、竹や木の枝が交錯して、前進を困難にしていましたが、しばらく登ると再び車道へ出ました。

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 ↑ 途中からの眺めです。 立花(岡条付近)の集落と三躰妙見宮のある明現山(妙見鼻)と因島大橋などが見えます。
 B&B潮風の女将さんのお話では、立花の集落は、かつて「日本一健康長寿の里」だったとのことですが、道路が出来たりして便利になり、生活様式や、食生活が変わってしまい、日本一の座から下りてしまったようです。

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 ↑ 立花(沖条付近)の集落と海岸、余崎の城山(63m)と観音崎です。

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 ↑ 明瞭な尾根へ取り付くため、車道を東へ少し下ると

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 ↑ 左手の尾根へ続く立派な登山道が付いていました。 車道は、沖条へと降りているようです。

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 ↑ 車道の分岐からすぐの所は、休憩所になっていました。

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 ↑ バベ(ウバメガシ)林の中に造られた登山道「瀬戸のうた道」です。

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 ↑ 立花地区の岡条の集落と、明現山の三躰妙見宮が見えています。
 山の木を人が利用しなくなったことで木々が立て混み、抵抗力が低下してしまい、酸性雨や松くい虫などで、枯れた松が増えています。 
 ただ、松が枯れたからと悲観することもありません。 自然には復元力がありますし、空間が出来たことで新しい命も芽生えますし、見晴らしも良くなります。

 日本の場合、木を植えるのは美徳で、切るのは良くないと感じている人が多いのですが、杉や檜の人工林同様、里山の場合は、適度に除伐することが、森林の健康を維持するためにも大切です。
 それと、若い松は抵抗力がありますから、全山禿山になることは無く、やがて、松を始め、いろんな木々が自然に育って来ます。
 結果を憂いたり、急いだりして、税金をかけて大量の農薬を散布しても、松枯れを食い止めることは困難です。
農薬散布は野鳥の数を減らしますから、害虫が増えてしまいます。
それよりは、枯れた木を切って、出来るだけ早く林から出し、燃やしてしまった方が、害虫の異常発生を抑えられます。
 特別な場合を除き、山へ木を植えるのは止め、自然に任せるのが、良い結果が得られます。
植えるよりは切り、それを速やかに片付けることです。 切りっ放しは、害虫の異常発生や、災害を招きます。

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 ↑ 立花地区の沖条の集落と、余崎城跡のある城山(63m)と観音崎です。

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 ↑ 松が倒れ、日当たりの良くなった斜面には、コバノミツバツツジが咲いていました。
 登るに従い、次々と歌碑が現れて来ました。 どれもが、天然の岩に彫ったもので、味わいがありました。

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 ↑ 富小路左兵衛佐興直の歌碑です。

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 ↑ 愛宕民部大輔通直の歌碑です。

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 ↑ 標高が高くなったことで、余崎の向こうに、因島や弓削島が見えました。

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 ↑ 登山道整備や、松枯れで明るくなった所には、ヒメヤシャブシなどの陽樹が育っていました。 鳥が種子を運んだのでしょう。 自然界は、ゆっくり遷移しているようです。 

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 ↑ 所々に立派な石垣がありました。 長寿だった立花の人たちは、このような山の上まで畑にして、サツマイモなどを栽培していたようです。
 ただ、時代が変わり、山の上まで畑をする人は、いなくなったようです。
代わって、イノシシが各所に増えているようで、道沿いには、イノシシが餌を漁った痕跡が随所にありました。

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 ↑ 長谷川桜南の歌碑です。

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 ↑ 三条実美の歌碑です。

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 ↑ 作者不詳のようです。

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 ↑ 今川貞世の歌碑です。

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 ↑ 木々の間から、因島大橋や因島、細島、佐木島、三原方面が見えました。

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 ↑ 蛟水の歌碑です。

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 ↑ 岩子島や鉢ヶ峰方面が見えています。

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 ↑ 豊岡尚資の歌碑です。

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 ↑ 因島大橋が見えて来ました。

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 ↑ 因島と、生口島の観音山方面が見えています。

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 ↑ 千種有政の歌碑です。

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 ↑ 左、横島と当木島(右の小さな島)です。

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 ↑ 高浜虚子の歌碑です。

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 ↑ 蛟嶽の歌碑です。

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 ↑ 三条実萬の歌碑です。

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 ↑ 頼春水(頼山陽の父)の歌碑です。

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 ↑ コバノガマズミもつぼみが膨らんでいました。良い天気が続けば、後一週間ほどで白い花を咲かせるでしょう。

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 ↑ 今川貞世の歌碑です。

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 ↑ 吉井勇の歌碑です。

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 ↑ 蛟月の歌碑です。

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 ↑ 翠月の歌碑です。

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 ↑ 布刈瀬戸と細島、岩子島、三原方面です。

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 ↑ 小林一茶の句碑です。

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 ↑ 千種有功の歌碑です。

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 ↑ 山頂の展望台です。階下はトイレになっています。

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 ↑ 二等三角点 「高見山」 です。 4度目の再会です。 (^^);

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 ↑ 山頂展望台からの因島大橋と因島、佐木島、細島、三原方面の眺めです。

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 ↑ 山頂展望台からの下江府島、上江府島、加島、百島、沼隈半島方面です。

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 ↑ 山頂展望台からの沖条集落と余崎の城山と観音崎です。

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 ↑ 山頂展望台からの佐木島、細島、岩子島、三原方面です。

 高見山は、いつ来ても、素晴らしい所です。
山頂近くにテントを張って、夕日を見て、星を眺め、夜遅くまで友と語り、鳥の声に目覚め、朝日を見る…。
そんなことが出来たらいいなと、思うやまねでした。(若い頃は、このパターンが多く、色んな所で夜を明かしたものです。そんなことで 山寝=ヤマネ=やまね になりました。)

 しばらく山頂からの眺めを堪能し、北側の尾根を、洋らんセンターへと向かいました。



〔提案〕 山頂から360°の展望を!

 高見山にひとつだけ不足しているものがあります。
それは、山頂から尾道水道方面の展望が楽しめないことです。
千光寺山、西国寺山、浄土寺山などに上がると、高見山が見えるのですから、ぜひ、高見山からも尾道水道や対岸の山々が見えるようにしていただければ、旅人は、「あの辺りを歩いたのだなあ…」とか、「明日は、あそこへ上がろう!」と言う気持ちになり、わくわくして、うれしいものです。
 テレビ塔を回り込む形で周回路を造り、一部樹木を除伐すれば、良い展望が得られると思います。
市長さん、ぜひぜひ、ご検討願います。



    つづく

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