学校のビオトープ

4月23日 曇り

 今日は、五ヶ丘東小学校で、新しい4年生の総合学習「五東ビオトープ」がありました。
五ヶ丘東小学校は、今年が創立21年目になる歴史の浅い学校です。
開校当時は、市内でも一二のマンモス校でしたが、新興住宅団地の常で、現在は全校児童数が102名で、後、20年くらいは現状で推移しそうです。

 30分早めに行き、ビオトープをのぞいて見ました。
ちょうど休み時間だったため、子どもたちが遊んでいました。
    「あ!やまねさんだ」
    「みんな、こんにちわ!」
    「こんにちわ!」
    「何見てるの?」
    「カエル!…」
一緒に覗き込ませてもらいました。

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     (写真の上でクリックすると大きな写真になります。以下同じです。)
 ↑ カエルを見る子どもたちです。



はじめは座学
 一時限目は、パワーポイントを使っての座学で、下記について、さらっと学習しました。
 
    1.五ヶ丘の昔の姿
    2.ビオトープ って何んだろう?
    3.五東ビオトープの可能性  「トンボの楽園」
    4.ビオトープでやってはいけないこと
    5.ビオトープへ たくさんの生きものに来てもらうには
    6.五東ビオトープの生きものたち

 五ヶ丘の町は、標高100m前後の11の小山を造成して出来た町です。
出来るだけ自然を残す工法を採用したのですが、消えたものも多いため、自然と触れ合い、自然から多くを学んでほしいと、「五東ビオトープ」が出来たことや、プールも、校庭の草原や、植え込みなども、いろんな生きものが棲んでいるからビオトープなんだよ…などの話と、4年生になると、遊んだり、学びの対象だった「五東ビオトープ」のお世話もして行くので、そのポイントなどについて学習し、質問に答えました。
 たくさん質問が出たので、休み時間に掛かってしまいましたが、次の時間もつづきの学習ですから、OKでした。



本物に触れる
 
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 ↑ 五東ビオトープ入口です。 記念写真を撮ろうかと言ったら、さっと集まって来た児童たちです。 今の子どもは撮られ慣れしています。明るくて良いことです。

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 ↑ 向こうのほうが騒々しいと思ったら、「東っ子動物園」のウサギが2羽脱走とのこと。みんなで捕まえることにしました。
 野外授業には、ハプニングが付きものですが、それらをどう生かすかで、楽しい授業になります。

 最初は、ミニ田んぼで、生きもの探しをしました。

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 ↑ ホソミオツネントンボが止まっているのですが判りますか?
さすがに、児童たちの眼は良くて、次々に見つけていました。

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 ↑ 赤褐色タイプの未成熟個体もいました。

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 ↑ アメンボです。 捕まえようとしてましたが、タモがないのでダメでした。

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 ↑ 小さな巻貝を見つけた児童もいます。
早速、他の児童たちにも、せせらぎや、池、ミニ田んぼで探して来てもらいました。
タニシを捕まえて来た児童もいました。
右巻きと左巻きの見方を教え、捕まえた貝は、どんなだったか答えてもらいました。
     「みんな右巻き!」
 五東ビオトープには、モノアラガイがいて、サカマキガイはいないようです。
そう言えば、昨年のプールのヤゴ救出作戦のときも、モノアラガイがたくさんいましたね。
     「どうしてモノアラガイは、五東ビオトープやプールにいるの?」
     「誰かが入れた。」
     「鳥にくっ付いて来た。」
五ヶ丘東小学校のプールや五東ビオトープには、時々、カルガモやサギが飛んで来るので、彼らの体に卵などが付着していて増えるようです。 そんなことを知っている(予測できる)児童もいたのでした。

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 ↑ 面白いのを見つけた児童がいました。 何でしょうか?
継続して観察することにしました。 (答えは○○の卵塊ですが、そのときの楽しみにします。)

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 ↑ 生きものを探す児童と先生です。

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 ↑ 今日、最も注目を浴びたのは、児童が見つけましたシオヤトンボの羽化でした。
 
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 ↑ 今年一年間、よろしく!とのことで記念写真に収まる4年生全員と、先生お二人です。



感想文から

 後日、自宅へ届いた感想文をご紹介します。


やまねさんへ

  23日は、ありがとうございました。
 新しい4年生は、五ヶ丘東小のビオトープのことをやまねさんから聞いて、とても興味をもって総合の学習に取り組もうという姿勢がみられました。
ビオトープでの観察も新しい発見があり、子どもたちはとても喜んでいました。本当にありがとうございました。
 新しいプレゼンも用意してくださり、ありがとうございました。また、子ども達のところへ来て、いろいろ教えてください。

子ども達の日記です。

 「 今日は、やまねさんにいろいろな勉強をおしえてもらいました。
最初の3時間目は、教室でした。びっくりしたのが何個もありました。一番びっくりしたのは、ひっつきむしの本名が、ヌスビトハギだったことです。
ひっつきむしにも名前があると思ったけど、まさかこんな名前だとは思いませんでした。
4時間目では、実際にビオトープに行って観察しました。
いっぱい観察したけど、一番びっくりしたのは、トンボの羽化しているところが見れたことです。全然びくともしなくて、何時間もそこにずっといたので、羽化ってとっても大変なのがよく分かりました。
やまねさんに、いっぱいビオトープのことを教えていただいて、よかったと思います。   悠馬」

 (やまね注:ひっつきむしがあると、トンボがくっついて死んでしまうことを画像で見てもらったのです。 ↓ )
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 「 今日は、やまねさんがみえ、生きものの事をたくさん教えていただきました。
その中でぼくが一番おどろいたことは、アジアイトトンボが、600㎞までとべるということです。あんなに小さい体で、速く遠くに行けるんだろう?
ビオトープには、たくさんの生きものがいて、生きものにとって大切な所なので、これからずっと守り続けたいです。      直輝」


 「 ぼくは、やまねさんに、いろいろ学びました。
トンボの種類やバッタやアメンボなど、いっぱい見ました。自然をようく見ると、いっぱい生きものがいるんだなあと思います。
今日、うれしいことに、トンボの羽化が見れました。トンボのことが、いっぱい分かりました。そして、トンボがどうやって羽化しているか分かって、とてもうれしかったです。
それと、すごくちっちゃいトンボがいました。3~5センチぐらいのトンボです。その名前は、アジアイトトンボです。
もう一つは、ヒシバッタというとてもちっちゃなバッタがいました。そのバッタは、水の中でも、泳げます。びっくりしました。
もうひとつ、アジアイトトンボは、600㎞ものきょりをとんでいくなんてびっくりしました。
アメンボは、すごくちっちゃかったです。アメンボは、水をかきわけられるのが、すごいなあと思いました。
やまねさんの話は、分かりやすくてためになりました。
これからは、自然や生きものや地球を守っていきたいなあと思います。   風斗」



 やまねさんが帰られた後、やまねさんに聞きたいことがあったら書いてといったら、次のような質問がありました。
よかったら、答えてやってください。
  ① バッタは、いつごろ出てくるの?
  ② モノアラガイの仲間には、左まきがあるけど、タニシも左まきがあるの?
  ③ やまねさんは、何ガエルが好きですか?
  ④ アジアイトトンボは、600キロもとぶけど、もっと遠くまでとぶトンボはいるの?
  ⑤ アメンボの見分け方は?
  ⑥ トンボは、卵を産んだら死ぬの?
  ⑦ ヒシバッタは、生まれた時は、何センチぐらい?
 
  → 後で返事しますが、答えだけを示すのではなく、一緒に学んで行けたらと思っています。
     それは、自分で調べたり、観察を通して気づくことが大切だからです。
                                      (やまね)

 羽化していたシオヤトンボは、次の日の朝、羽が広がり体の黄色と黒色の線がはっきりしてきました。
長放課に子どもたちが見に行ったら、もう姿はありませんでした。
無事に飛んで行ったようです。よかったです。

   → 通常は、昼ごろには羽化が済んで飛んで行きますが、あの日は気温が低くかったので、二日掛かったようです。無事、飛び立つことが出来、良かったです。 (やまね)


 昨日、授業参観、PTA総会、歓送迎会があり、お礼を言うのが遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。
また、子どもたちが待っていますので、いろんなことを教えに来てください。 
                                       柘植



ビオトープの維持と問題点
 日本各地で、人工的な水辺を造り、お気に入りの生きものや植物を持ち込み、ビオトープと呼んだブームも去りましたが、いろいろな問題が残りました。
 その第1は、何が元々その地にあった自然かを知らない人が増えたことです。
第2は、自分好みの生物だけを可愛がったり、大切にする風潮の広まりです。
そして、第3は、熱が冷め、放置されて荒れてしまっている所が多いことです。

 ビオトープは、生きものたちが生息する空間ですから、創られた空間であっても、そこへ息づいた生きもののためには、関係者が、その生態系の維持を継続させることが大切で、それが、人間側の責任です。
 学校ビオトープの場合、単に生きもののための空間ではなく、子どもたちの遊びと、学びの空間でもありますので、その維持管理には、余計心配りが必要です。
 しかし、先生方には転勤や退任などの移動があり、常に、生物に関心があり、その維持に熱心な先生が在籍するとは限りません。それに、先生方は多忙です。
 PTAの方たちも、子どもの卒業と共に、学校へ関与しなくなりますが、これは仕方のないことです。
 しかし、学校のビオトープは、いつも良い状態で維持管理し、授業に生かしていく必要があります。
方策は、専門家のアドバイスと、管理・運営の明文化であり、地域の支援組織の立ち上げです。
そのことで、継続が担保され、先生方は、ビオトープを授業にどう生かすかと言うことに専念出来るのです。
 ビオトープに限らず、先生方の置かれている環境は厳しいですから、口出しするだけの人ではなく、協力して行く人材が地域社会に求められます。
 子どもの教育は、親、学校、地域、そして子ども同士の、程よいつながりなくしては達成できないと思います。


 幸いなことに五ヶ丘東小学校の場合、地域の支援者(現役引退の方や大学生)が育って来ていることと、校長先生始め、先生方がベクトルを合わせてられることが、生きものにも、児童たちにも、うれしいことです。

 これから一年間、新しい4年生と、一緒に、自然や生きものについて学んで行きます。
来年の今頃、児童たちは、一回りも、二周りも、大きくなっていることでしょう。
自然が豊かだった頃を知っている私たち世代が元気なうちに、次代を担う子どもたちに、自然との接し方を伝えていけたらと思います。








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