尾道再び その(1) 坂の町、お寺、お好み焼

 3月8日から13日まで、青春18きっぷで、尾道へ行って来ました。
山の仲間と数人で行くつもりでしたが、直前のSSさんのアクシデントもあり、結局一人旅になりました。
でも、時ならぬ春の雪で、とても印象深い旅になりました。

■初日
 尾道には、14時に着きました。
 一度、向島(むかいしま)の「B&B潮風」さんへ行くことも考えましたが、荷物だけ預けて戻るのも何ですので、駅のコインロッカーへ荷物を預け、傘を差して、久しぶりに町を歩いてみました。
 尾道は、その名の通り、山すそに道が入り組んだ町です。 (尾は山すその意味もあります。)
 対岸の向島には、連合軍捕虜の収容所があったことなども影響したのか、戦災に遭うこともなく、昔の町並みが残り、人々の生活が息づいていますので、歩きを主にする旅人にとっては、とても魅力的な町です。
画像
     (写真の上でクリックすると大きな写真になります。以下同じです。)
 ↑ かつての銭湯「大和湯」跡(土堂)です。 今はカフェ+お土産屋?になっているようです。
画像
 ↑ こちらは現役の銭湯「大宮湯」(東久保町)です。
 他にも「日の出湯」(西久保町)など、レトロな銭湯がいくつかあるようなので、次の機会には入ってみたいです。
        ★…銭湯についてはココを参照ください。

画像
 ↑ 千光寺道の踏切です。
 尾道の町並みは、尾道水道に沿って東西に商店街があり、北の山手との間には、国道2号線と、山陽本線が並行して走っています。
 山手のお寺などへ行くためには、2号線を渡った上に、どこかで踏切を渡るか、ガードをくぐることになります。
画像
 ↑ これから行く道は、中々の急傾斜です。
画像
 ↑ 山陽本線です。踏み切りで東側を見たところです。右手の山は向島です。
画像
 ↑ 石段を少し登って振り返ると、こんな感じです。
 私は、昔は長距離を、今は山をやっているので、このくらいの坂は何ともありませんが、坂の途中に住んでおられる方々にとって、小さなときや、歳をとられたら大変かと思います。
画像
 ↑ 味わいのある土塀です。 昔の方は、材料や道具を担ぎ上げて、コツコツ造ったのでしょう。
画像
 ↑ 一見、生垣に見えますが、石組みの塀に、ツル植物のオオイタビを這わせたものです。中々おしゃれで、やわらかい雰囲気を出しています。
画像
 ↑ オオイタビは、潮風に強く、一年中、青々としていて密に茂りますから、このような使い方は素晴らしいと思います。
画像
 ↑ 坂と直角に交わるように等高線に沿った石畳の小道がありましたが、民家へ行くための道で行き止まりのようなので、立ち入ることは止めました。
 坂の途中には、このような横へ行く小道がいくつか見られました。
画像
 ↑ 本瓦の大屋根です。天寧寺のようです。
画像
 ↑ 朽ちかけた民家と土塀です。かつての旦那衆の別荘(茶園)だったのかも知れませんが、今は住む人もなく朽ちるがままになっています。
画像
 ↑ 「尾道ゲストハウス」音速(おとはや)荘です。
車が使えない尾道の坂の家には空き家が目立ちますが、景色が良いこと、街へ近いことなどを考えると、魅力を感じる若い方もいるらしく、ここの住人も、他所から移り住み、旅人たちへ格安料金で宿泊所を提供しているようです。 ミカン色に塗ったドアが、キャンパスのように自己主張しています。 尾道は柑橘類の生産地でもあります。
画像
 ↑ 茶店「AOI爽楽」です。 看板の感じからは、主は年配の方のようです。
ギャラリーを兼ねていて、「タダイマとオカエリ」の個展が開かれていました。
画像
 ↑ 「タダイマとオカエリ」の懸垂幕です。作者はMARUちゃんと言う方で、作品には味わいがありました。
画像
 ↑ 天寧寺の三重塔です。右手下には山陽本線と国道2号線が走っています。背後の山は浄土山(通称:クサリ山)です。
画像
 ↑ 尾道水道と尾道大橋です。 右手は向島。 奥は福山方面です。
画像
 ↑ アンテナのある山は、向島で一番高い高見山(283.2m)です。
二等三角点があり、山頂まで車で上がることも出来ます。 写真の上で左クリックし、拡大してご覧ください。
 JRで来た方も、一時間半ほど時間があれば、渡船、タクシーと乗り継いで、ぜひ、瀬戸内海一とも言われる他島美を味わうことをお勧めします。 (往復の足代は、渡船+タクシーで3000円ほどでしょうか。グループで行けば、格安です。)
画像
 ↑ 昨年のJR西日本DISCOVER WESTのCM撮影で、仲間由紀恵さんが高見山へ来られたときのポスターです。 あなたも、高見山からの素晴らしい景色を、ぜひ、味わってください。

 
 千光寺道の石段を上っていくと、石仏や歌碑などがありました。
尾道はかつて石屋さんの町でもあったとのことです。
画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像

画像
 ↑ アララギ派の歌人中村憲吉終焉の家です。 三次の造り酒屋に生まれたようですが、病に臥してから尾道へ移り住み、45歳で亡くなってられます。
画像
 ↑ 敷地内にあった中村憲吉の歌碑です。 尾道の人のやさしさが感じられます。
画像
 ↑ 浄土山と尾道水道です。国道2号線や、山陽本線も見えます。
画像
 ↑ 尾道水道と、向島です。中央の奥が大影山(通称土井の山)、手前、造船所の間にあるのが灯台のある小歌島(おかじま)で、民宿「B&B潮風」さんは、こんもりとした緑の小山の奥にあります。
画像
 ↑ 天寧寺三重塔の相輪(九輪)と尾道水道です。 かつては五重塔だったとのことです。 後、2週間もしたら桜も咲き始めるのでしょうか。
画像
 ↑ 天寧寺東に沿った坂道です。
画像
 ↑ レンギョウの花が春を告げていました。
画像

画像

画像

画像

画像

画像
 ↑ 天寧寺の本堂です。
画像
 ↑ 境内には、私の好きな、いやしの詩人坂村真民さんの詩碑がありました。
包容力のある、とても味わいのある詩です。

 作品を少し紹介させていただきます。


   『念ずれば花ひらく』

     念ずれば 花ひらく
     苦しいとき
     母がいつも口にしていた 
     このことばを
     わたしもいつのころからか
     となえるようになった
     そうしてそのたび
     わたしの花がふしぎと
     ひとつ ひとつ
     ひらいていった



   『 二度とない人生だから』

     二度とない人生だから
     一輪の花にも 無限の愛を そそいでゆこう
     一羽の鳥の声にも 無心の耳を かたむけてゆこう

     二度とない人生だから
     一匹のこおろぎでも ふみころさないように こころしてゆこう
     どんなにか よろこぶことだろう

     二度とない人生だから 一ぺんでも多く 便りをしよう
     返事は必ず 書くことにしよう

     二度とない人生だから
     まず一番身近な者たちに できるだけのことをしよう
     貧しいけれど こころ豊かに接してゆこう

     二度とない人生だから
     つゆくさのつゆにも めぐりあいのふしぎを思い
     足をとどめてみつめてゆこう

     二度とない人生だから
     のぼる日しずむ日 まるい日かけてゆく月
     四季をそれぞれの 星々の光にふれて
     わがこころを あらいきよめてゆこう

     二度ない人生だから
     戦争のない世の 実現に努力し
     そういう詩を 一編でも多く 作ってゆこう
     わたしが死んだら
     あとをついでくれる 若い人のために
     この大願を 書きつづけてゆこう


 この詩は、宮沢賢治の『雨ニモ負ケズ』と共に、私の人生に大きな影響を与えました。
少しでも、そうありたいと願って生きています。 
 


   『一切無常』

    散ってゆくから 美しいのだ
    毀れるから 愛しいのだ
    別れるから 深まるのだ
    一切無常
    それゆえにこそ
    すべてが生きてくるのだ



   『老いること』

    老いることが
     こんなに美しいとは知らなかった
    老いることは
    鳥のように
    天に近くなること
    花のように
    地に近くなること
     しだれ柳のように
    自然に頭のさがること
    老いることが
    こんなに楽しいとは知らなかった


 ほんの二時間ほどのそぞろ歩きでしたが、いろいろ感じ、学ぶことが出来ました。
旅には、いろんな出会いがあり、学び、いやされます。

画像
画像
 ↑ お腹も空いたので、お好み焼「村上」さん(久保町)に寄り、「砂ずり肉玉」をいただきました。
 今回は尾道の人たちに習い、箸を使わずコテでいただきました。何とかこぼさずに食べることが出来ましたが、さしずめ、幼稚園児くらいの食べ方でしょうか。
 次々に入って来られるお客のみなさんも、地元の常連さんが多く、とても親切です。
この日も、先回来たときお会いした元甲子園球児の方に再会しました。やはりビールとセットでした。
ちょっと下った海寄りで、「楽天」と言う焼肉屋さんと、「壱番鶏」と言う串焼き店をしてられるそうです。
 村上さんは、「母と比べたら下手やから…」と謙遜されますが、とてもおいしく作ってくれますので、尾道に来たら立ち寄るようにしています。 なお、村上さんは、とてもチャーミングで気さくな人です。
 この日も、大阪から、とてもおいしいからと娘に誘われて来ましたと言う、お母さんと娘さんが来てられました。
感想をお聞きすると、「確かにおいしい。大阪とは違うおいしさやね…」とニコニコされるので、「村上」ファンの私も、なぜかうれしくなるのでした。 ファン心理とは不思議ですね。
画像
 ↑ 向島へは駅前渡船で渡りました。船賃は100円と、とても安いです。
民宿「B&B潮風」さんは、船を下りたら3分ほどの中学校の隣にあります。

 大女将の妙子さんも、女将の園生さんも、お元気で、暖かく迎えてくださいました。
同宿は、熊本と京都から来られた女性の方でした。



   つづく











 

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック