岩子島の山に登る (前編)

 1月18日(月)、念願の岩子島(いわしじま)へ行き、東西、二つの岩岳に登ることが出来ました。

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            ↑向島の案内板です。
 (駅前渡船で、尾道から向島へ渡った所にありました。)
 「岩子島」は、「尾道水道」を挟む尾道市街の対岸「向島」の西どなりに寄り添う、面積2.45km、周囲7.5Km、人口/750人ほどの小さな島です。
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            ↑ 「岩子島」の地形図です。
 (国土地理院発行の地形図を基に、磁北線や、学校名などを追記させていただきました。画像上で左クリックし、拡大してご覧ください。)

■歩くも楽し
 今回もお世話になった向島の宿「B&B潮風」さんでいただいたバスの時刻表を見ると、向島から岩子島へは、本数は少ないもののバスが通っていて、バス停は兼吉(かねよし)となっていました。
 B&B潮風さんから兼吉へは、直線で東へ800mほどの位置にありましたので、迂回していることや、道草のための余裕を持たせ、B&B潮風さんを8時半に出ました。
実際に歩いてみると、1.5Kmほどのようです。(歩測+やまね勘では)
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 途中、古い民家や、由緒ありげな神社、レンガ造りの建物、登る意欲が沸いてくる立岩のある山などを発見出来、9時頃には兼吉のバス停へ着きました。
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 しばらくするとバスがやって来ました。社内の時計は9:10で定刻です。
 向島循環バスとなっていたので、東側の海岸沿いも走るかなと淡い期待を寄せていたのですが、中心部を小回りした後、島の中央部を通る国道317号線を、南の津部田へと向かいました。
 乗客は途中まで私一人だったこともあり、運転手さんは、すぐ後ろに座った私に、いろいろ話しかけてくれ、楽しいうちに岩子島へ着くことが出来ました。
 でも、バスが走り出してすぐ、あれれと思ったことがあります。
それは、私が、宿から兼吉へと歩いて辿った道の半分近くを、バスが戻るように通ることでした。
結局、宿から歩いて3分ほどのバス停も通ったのでした。
時刻表には主なバス停しか表記されていなかったため、B&B潮風さんの近くまで来ることに気づきませんでした。
でも、のんびり歩いた分、向島の知らなかった部分を見ることが出来、ウォーミングアップにもなったので良かったです。
 このことを、夜、潮風さんに話すと、みなさんも思わず爆笑でした。
潮風さんも長い間バスに乗ってないので、バスのルートに気づかなかったようです。
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 ↑ 岩子島のバス停です。 新しくきれいなトイレがありました。 
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 バス停のある広場の隣はJAの集出荷場になっていました。
写真に写っている山が東岩岳(118m)です。
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 ↑ バス停は、「御幸瀬戸」と接していて小さな船と、対岸の向島が見えました。

■東岩岳へ
 地形図を見る限り、南北に伸びる尾根から取付くのがよさそうです。
途中、JAの建物で飲み物とパンを買い、島の中央を西へ抜ける集落の中の道を進み、小さなトンネルの手前から右手の山へと向かいました。
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 ↑ 小型車がやっと通れるくらいの小さな「岩子島隧道」です。
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 ↑ トンネル手前の小道を上がると、20台ほど留められそうな駐車場と児童公園がありました。
車で来た方は、ここへ車を留めさせていただき、歩き始めると良いと思います。
 駐車場から15mも行くと、尾根を横切るように道が分かれていましたが、どちらからも尾根に取り付けそうなので、東側の景色を見たかった私は、右手を選択し、景色を眺めてから尾根に取り付きました。
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 ↑ 取り付き付近から見上げた東岩岳です。
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 ↑ 同じ地点から見た、向島の最高峰で二等三角点のある「高見山」(283.2m)です。
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 ↑ 同じ地点から見た三等三角点「大影」のある通称土井山(167.4m)です。 どちらも、昨年の春、山頂に立つことが出来ました。
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 ↑ 尾根へは、フェンス右手の切れ目から取り付きました。
山から人里へ通う小動物がいるらしく、踏み跡がしっかり付いていました。
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 ↑ 尾根に上がると、西から小道が上がっていて、ワケギが植えられた小さな畑と、たくさんの石仏などがありました。 
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 ↑ 登るときは、尾根のやや西側のミカン畑跡を通ったのですが、この祠や石仏のある所を過ぎたら、尾根の中央よりやや東側に踏み跡がありました。
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 穏やかな表情をした石仏でした。
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 ↑ 少し行くと、南西方向に、「細島」や「佐木島」などが見えて来ました。
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 ↑ 山頂を西側から見上げたところです。
かつてはかなり上までミカンの栽培が行われていたようです。
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 ↑ 高齢化のためでしょうか、放置され、自然へ帰る途中のミカンの木がありました。
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 ↑ 「しまなみ海道」の通る「因島大橋」と、「因島」などの島々です。
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 ↑ 山頂手前の尾根から見た尾道水道(奥)と御幸瀬戸(手前)です。
間の島は向島です。
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 ↑ 山頂近くにあった石仏です。
登り始めてすぐの石仏群は、その大半が、かつては山頂への尾根伝いにあったと思われます。
この山も、島人たちの信仰の対象となっているようですが、高齢化が、山へ登る人を少なくしているようです。
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 ↑ 山頂から見た三等三角点「西岩嶽」のある西岩岳(130.23 m)です。
東岩岳同様、北か南から取り付くのがよさそうです。右手後方は糸崎、三原方面です。
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 ↑ 山頂から見た尾道水道と、「鳴滝山」から「本鳴滝」、「鉢ヶ峰」に続く山々です。
これらの山並みも、瀬戸内の島々の展望が期待出来そうですので、次の機会に、ぜひ、登ってみたいと思います。

■西岩岳への道筋
 私は観てなかったのですが、大林宣彦監督の映画「尾道三部作」は、尾道の市街地だけでなく、向島や、この岩子島でもロケが行われていたようです。
 島には、人の心に触れる自然や、趣のある民家、景観が随所にあり、島の長い歴史と、文化とを感じました。
以下、私自身が心惹かれた風景を、少し載せたいと思います。
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 ↑ 23年前に廃校となった「岩子島小学校」跡地です。
かつての木造校舎は取り壊され、農業構造改善センターとなり、島民のコミュニティの場となっていました。
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 ↑ たくさんの子供たちを見つめて来た老木は、腰が曲がった老人のように感じられました。
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 ↑ かつて、ここに、岩子島小学校があったとの記念碑です。
これを立てられたときの関係者の悲しみは、いかばかりだったでしょうか。
それでも、強く生きる島の人々に、敬意を感じます。
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 ↑ 校歌と共に、応援歌が書かれてありました。
年に一度は島民たちがここに集い、校歌や応援歌を歌うのでしょう。
OBだけではなく、子供たちも一緒に歌うことが出来たら、年老いた人たちにとっても、せめてもの慰めになるのかも知れません。
 しかし、すべては、やがて風化するのかと思うと、旅人の私でさえも、寂しく感じるのでした。
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 ↑ 昔懐かしい二宮金次郎の銅像です。石造でないところから戦前に作られたものと思われます。
かつては、全国のほとんどの小学校にあったのですが、交通安全上問題との一部の指摘で撤去されているようです。
 歩きながら本を読むことは、今の時代にはそぐわないですが、勤勉とか、奉仕などを考えるきっかけとしての役割も残されているように思います。
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 ↑ 学校近くの峠(岩子島隧道の上)から西側を観たところです。
左手の山は「との山」(字は不明)で、鞍部の下にはトンネルがあるとのことでした。
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 ↑ 峠を少し下って、やや北西側を観たところです。今から登る西岩岳が見えています。
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 ↑ 茅葺にトタンを被せた大屋根と、土壁に本瓦葺きの古い民家もあり、庭先では子供たちが猫と遊んでいました。
かつては小学校に近い家だったのに、今は、向島大橋を渡った先の、向島の三幸小学校まで通っているとのことでした。
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 ↑ 坂を下りきった辻の左手にあった常夜灯です。
説明板によると、「郷条袴越の常夜燈」は、元禄十年(1697年)、向島大橋の対岸の、向島西村津部田に、最後の塩田が完成し、その関係で岩子島も豊かになった時、各地区に金毘羅講がつくられ、交通の要所や旧海岸の適当な位置に常夜燈を建てたこと。 その昔、岩子島は、二つの島に分かれていて、満潮時など、西の島に行くときは、袴をからげて渡ったとの伝説から「袴越し」の地名になったこと。 常夜燈の高さは3.3mあるのだが、現在は土砂で1mほど埋まっていることなどの記述がありました。
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 ↑ 常夜灯のあった所から西へ100mほど行った所から振り返り見た集落と東岩岳です。 
なお、学校跡地は、右手、写真が切れた辺りです。
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 ↑ 立派な石垣のある民家が見えて来ました。
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 ↑ 今後に残したい民家でした。
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 ↑ しかし、岩子島も過疎化が進んでいるようで、風格のある家が、朽ちるのを待っていました。
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 ↑ こちらもの民家も、味わいがありました。
塀を造らなかったのは、先代のポリシーだったのでしょう。 その分日当たりが良く、庭木が生き生きしていました。
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 ↑ 鳩の屋根飾りもありました。
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 ↑ 石垣で気づいたことがあります。
上の段が水平でなく、隅の部分に使われている石の一部が反っていて、きれいな線を形づくっているのです。
これまで、他の地方では気づきませんでしたので、今後は気をつけて観て行きたいと思います。
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 ↑ 帰りに確認した福山城の石垣は、ほんの少しだけ反っていました。

 (ご参考)
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 ↑ 滋賀県近江八幡の石垣は、フラットでした。


 つづく











 
 





 


 



 

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