プールのヤゴ救出大作戦

 6月2日(火) 快晴

 IH小学校の「プールのヤゴ救出大作戦」を、無事終えることが出来ました。
当初、30日の運動会、そして今日の行事と、どちらも週間予報から雨が心配されましたが、お天道様が味方してくれたようです。お天道様、ありがとうございます。

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           最初は赤組からプールに入りました。

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           続いて白組です。 持ち時間は、各15分です。
 
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 捕ったヤゴの中から、自分が飼育するヤゴを選び、事前に準備しておいたプラボトルで作った容器に、ヤゴを一匹と、プールの中にあった落ち葉を4~5枚入れ、這い上がり用の登り木を付けました。 
容器には、学年と自分の名前が書いてあります。
ヤンマになる大きなヤゴと、赤とんぼになる小さなヤゴが人気のようです。
教室で飼うのと、家で飼うのと、それぞれ良く観て選ぶ子どもたちです。
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 残ったヤゴは、校庭にあるビオトープへ放しました。
バケツで四杯もありましたので、羽化したときに縄張り争いが起きそうです。
 
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 プールのヤゴが水中から這い上がり、羽化しやすいようにと、最近取り付けた木の枝です。このことに、もっと早く気づけば、更にたくさんのヤゴを救えました。
 ネットは、去年のプール授業終了後、植物組織内産卵をするトンボ用に付けたものです。そのときネットの上にあったイネ科の草などはプールの底に沈み、生きものたちにとって、よい隠れ家となったようです。
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           羽化殻がいくつか着いていました。
 
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           コオイムシもいました。

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 変わったところでは、モノアラガイもいました。どうして入ったのかは謎です。
鳥の糞の中に卵が入っていたのでしょうか。


■児童や先生方の感想
   ・こんなにたくさんのヤゴがいるなんて驚いた。 
   ・しっかり育てて、トンボでいっぱいにしたい。
   ・初めてヤゴを捕まえたけど、楽しかった。
   ・はじめはヤゴが怖かったけど、みんなが捕まえているので、勇気を出して
    捕まえることが出来た。
   ・すごく大きいヤゴから小さなヤゴなどいろいろいた。
   ・ヤゴ以外のいきものもいろいろいた。
   ・今まではプール掃除で流れていったと思うと、かわいそう。
   ・来年も、やりたい。
   ・晴れてよかった。

■補足
   IH小学校の「プールのヤゴ救出大作戦」は、今回が初めてでした。
   きっかけは、校庭の隅にあるビオトープを使った昨年の総合学習と、
   夏休み中に行なった先生方のビオトープに関する研修です。
   これは、校長先生も含め、全職員が参加しました。
   この中で、プールも立派なビオトープであることを知り、
   プールでトンボが産卵しているのを観ている児童や先生もいたので 
   先生方と相談し、今回の「プールのヤゴ救出大作戦」となったのです。
   メインになって手配、実行などをされたのは、4年担当のT先生でした。
   T先生は女性でしたので、ヤゴやトンボを捕まえたことはなかったそうです。   

■これまでの経過と今後
  ①産卵床設置 (2008年9月2日)
   プールの一角に水面を覆うようにネットを張り、そこへイネ科の草などを敷き
   詰めました。 そのときの模様はこちらをクリックください。
   これは、植物の組織内に産卵するトンボも産卵できるようにしたものです。
   ネットを張り終えたら、早速ギンヤンマなどが産卵に来てくれました。
  ②年間計画を立てました。 (2008年9月)
    ここで、おおよその作戦実行日と、プールの水の管理方法を決めました。
  ③水抜き (2009年5月25日~)
    プールの水は、ヤゴなどが少しでも流されないよう徐々に抜きました。
  ④水抜き立会いとヤゴの確認 (2009年5月28日夕方)
    プールの低学年用部分の水深が30cmくらいになったとき、
    低学年用部分にいたヤゴを試験的に捕まえ、高学年用に移しました。   
  ⑤登り木設置とヤゴの移動 (2009年5月29日午前中)
    28日の立会いのとき、羽化出来ず水の中で死んでるクロスジギンヤンマ
    などのヤゴが多数いることに気づき、水中から這い上りやすいように木の
    枝や、ヨシなどを取り付けて、水深が15cmくらいでしたので、
    干上がる前にと低学年用部分にいたヤゴを高学年用に移しました。 
  ⑥登り木設置の効果確認 (2009年6月2日朝)
    32の羽化殻がありました。登り木の設置を4月初めにすべきでした。
  ⑦プールのヤゴ救出 (2009年6月2日10:55~12:25授業で)
   全校児童数が102名と小さな学校ですので、全校行事として実施しました。
   『カエルの分校』から4名、サポート参加。
   新聞社や、テレビ局などの取材もあり、大人はやや緊張しましたが、子ども
   たちは、逆に質問するなど、楽しんでいたようです。
  ⑧飼育観察 (2009年6月2日~)
   捕まえたヤゴの一部は、児童たちが教室と家で飼育観察します。
   ほとんどの児童や家庭はヤゴの飼育経験がないため、エサを一括手配して
   おくべきでした。
   事前手配は出来ませんでしたが、3日には全児童に配られます。
  ⑨観察の記録
   学年に応じた観察記録をとり、生きものを大切にする心を育みたいと思いま
   す。
   IH小学校では来年以降も「プールのヤゴ救出大作戦」を継続したいと考えて
   います。

     
■やまねのコメント
    子どもたちが、生き生きとしてヤゴを捕まえている姿に、未来を感じました。
   やはり、子どもたちには、自然の中で五感を使って伸び伸びと遊んでほしい
   です。
      
    プールに、たくさんのヤゴなどの生きものがいることは、各地で検証されて
   います。
   プール掃除前に、ヤゴを助け出すことは、生きものにとっても、子どもたちの
   ためにもプラスになります。
    ただ、別の視点で考えると、プールを産卵場所にしなければならないほど、
   各地で水辺が減り、その環境が悪化しているとも言えます。
     野生の生きものは、人にエサをもらったりせず、自分の力で生き、子孫を
   残して行く生きものですから、人手を借りないと野生の生きものたちが命を
   つなぐことが出来ないことは自然とは言えません。
    それだけに、全国各地の小学校の学区単位で、本来の水辺や、雑木林や
   草原を復活させたい
と願います。
     国や県単位の絶滅危惧種だけに眼をやっていては、手遅れに思います。
   なぜなら、親や大人に連れて行ってもらって見るのではなく、友だち同士、
   歩いていける距離で遊びながら自然に触れることが、子どもにとってもより
   良いからです。
    私たち大人が、経済性や利便性、快適さなどを追い求めた結果、
   ここ50年ほどで、豊だった日本の生態系を悪化させてしまいました。
   以前の良さを知る私たち世代だからこそ、今のうちに、それらを具現化し、
   若い方々へ想いを伝えて行きたいと思っています。

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