2009年春 「青春18きっぷ 小さな旅・広島」 を振り返って

 プロローグ

 人間、誰もが、行きたい所、行ってみたい所は、いろいろあるものですが、
行けそうでも、中々行けないことが多いものです。
でも、あるとき、ちょっとしたきっかけが後押しをして
長年の夢が現実になったりします。
 今回の「広島の旅」は、昨年暮の只見線の旅で出会ったご婦人がきっかけでした。
      http://yamanenone.at.webry.info/200901/article_2.html
 そうだ、日本人として、広島は行っておかなくては!
思い立ったが吉日です。 春休みの「青春18きっぷ」で行くことにしたのでした。

 はじめは「18きっぷ」をフルに使って下関まで行き、関門海峡を歩いて九州へ渡った後、東へ戻りながら広島県内を…と考えていたのですが、
世の中、そうそう計画通りには行かないものです。
 8年前から寝たきりの義母の容態がかんばしくなくなり、
「18きっぷ」は確保しておいたものの、旅に出れる状態ではありませんでした。
 しばらくして、 「お母さんも安定して来たから、行って来たら…」との妻の声に、
その気になって宿の手配をしました。
 しかし、明日から出かけようとした4月3日の夕刻、義母が亡くなり、
旅どころではなくなりました。

 インターネットで予約しておいた向島の民宿 「B&B潮風」さんには、メールでは失礼かと電話でお詫びをしたら、突然のキャンセルにも関わらず、こちらの事情をご理解いただき、キャンセル料も取らず、お悔やみのお言葉までいただきました。

 諸々の手配、通夜、葬儀と進める中で、4日の山の講座も気がかりでしたが、
通夜が5日になったことで、みなさんに、ご迷惑をお掛けせずに済みました。

   4日の山の講座です。
      http://yamanenone.at.webry.info/200904/article_1.html      


 「青春18きっぷ」は、未使用のまま記念に取っておくつもりでしたが、
葬儀が済んだ晩に、「お父さん、行って来たら」 との妻の一言で 
急ぎ宿の手配などをして、翌朝、妻にJR刈谷駅まで送ってもらっての「広島の旅」でした。
  
 なお、「青春18きっぷ」は3日分だけの使用となりましたが、「18きっぷ」を買っていなかったら、今回の旅はなかったわけで、改めて「青春18きっぷ」の存在価値を知りました。
 旅で出会った多くの人たち、直前のキャンセルや変更にも関わらず温かく対応くださった「B&B潮風」さん、旅を支えてくれたたくさんの人たち、そして妻へ、心より感謝したいと思います。
おかげさまで充実した旅になりました。

 
■人との出会い
 
 「一期一会」  好きな言葉です。 
          例え、二度と出会うことがないのかも知れませんが、
          真心で接することが出来ればと思います。

 「旅の恥は掻き捨て」  嫌いな言葉です。
          でも、旅先では知った人が、まずいないから
          普段出来なかったことを前向きにチャレンジしよう!
          失敗しても人目を気にすることもないのだから…と
          解釈するのであれば、
          これもまた、いいのかなと思います。

  今回の旅でも、多くの人との出会いがありました。
 そして、たくさんの影響を受けて帰ることが出来ました。
 お世話になった方々に、心より感謝申し上げます。


  出会った方々の中から、主な方をご紹介させていただきたいと思います。

Kさん (向島)
  民宿「B&B潮風」の大女将の今は亡きご主人。
  昨年1月28日に91歳でお亡くなりになっていましたが、
  戦前、東京で映画の美術の仕事をされていて、
  記録にあるものとしては、以下のような作品がありました。
     ・春星夫人…新興キネマ(東京撮影所)
     ・逞しき愛情…新興キネマ(東京撮影所)
     ・思出の記…大映(東京第一撮影所)
 戦局の悪化で映画の仕事が出来なくなり、故郷向島に帰り、他の仕事をしながら、絵を描き、故郷の島々や尾道などの写真を撮って、個展を開かれていたようです。
 「ヒロシマ平和カレンダー」の90年と91年版は、Kさんの作品でした。
 作品の一部を見せていただきましたが、どれもが何気ないようでいて心惹かれる作品で、戦争がなかったら、大きな仕事を残されたと思いました。
 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。 合掌
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 若いとき描かれたとの裸婦です。(油絵) みずみずしい感性がほとばしるような作品で、ご本人に会えなかったのが残念です。
 なお、残されていた写真の中には人間を撮ったものもあり、
私の好きな画家・安井曽太郎の若い頃の写真もありました。 
時間がなく、ほんの一部しか拝見できなかったのですが、
次にお邪魔したときには、「Kさんの世界」を、じっくり堪能させていただけたらと思いました。
 どの作品も素晴らしいですので、大切に保管いただけたらと思います。
作品と人物紹介のDVDなんかあると、宿泊者が自由に見れて、うれしいです。

 子どもの頃、野山を連れ歩いた甥は、映画監督を目指し、黒沢清監督、北野武監督の元で勉強中なこともあり、、私も映画制作に関心があり、いろいろお聞きしたかったです。
    甥の関わった作品です。 ( オ~イ馬鹿ですが )
    ご参考までに http://www.new-konjaku.jp/mitoshi.html
             http://www.new-konjaku.jp/index2.html
             http://www.lastscene.net/geidai.html
       柳ユウレイさんや、つぐみさんなどに出演いただきました。
 多くの方々に、観ていただける作品を創れる人間に育ってほしいと願います。

 ②M先生 (向島)
   向島で長年お医者さんをされていた方。 87歳。
   トンボが好きな先生と、「B&B潮風」の女将さんに、ご紹介いただきました。
   初対面にも関わらず、向島のトンボのことなどを、たくさん教えていただ上、
   毎年ヤブヤンマが産卵に来る庭の池も、ご案内いただきました。
 共通の関心事があることは不思議なもので、初対面で年齢差があっても、直ぐに打ち解け、お互い、子どものように話しが弾みました。 (^ ^)
画像
 記念にいただいた「ヤブヤンマ」の写真です。
♂の複眼は日本のトンボの中でも、特別きれいと言われています。 庭の池には、いろんなトンボが産卵に来るとのことで、ぞくぞくでした。
画像
 M先生宅玄関アプローチです。
左手の庭に、トンボのための手づくりの池がありました。
池だけでなく、休む空間もあるのがポイントのようです。メジロも営巣していました。
生きもののために、消毒も控えてられるとのことでした。
 この先生にして、このお庭ありです。
 おかげさまで多くを学んで帰ることが出来ました。 ありがとうございます。

 ③Mさん (向島)
   5年ほど前に横浜から向島に移り住み、
   30数年続けて来られた「能面」や「狂言」の面づくりをされています。
 縁とは不思議なもので、早朝の散策で2日連続お会いしました。
2日目は遠くから気づかれ、ニコニコしながら近づかれて、向島のこと、
小面(こおもて)など、普段聞くことの出来ない能面のお話しなどを、
お聞かせいただきました。
次に向島に来たときは、Mさんが打たれた小面を拝見したいと思います。
 何事も継続させることは大変なだけに、尊敬してしまいました。
 
 
■瀬戸内・向島

  ♪ みかんの花が 咲いている 思い出の道 丘の道
     はるかに見える 青い海 お船が遠く かすんでる  ♪ 

 山国で育った私には、「みかんの花咲く丘」は、想像の中の世界でした。
4年生のとき、はじめてみた太平洋。 そして、今回の瀬戸内海。 
どれもが、感激でした。 
山の向うには何があるのだろう、そう思って山へ登った子ども時代。
幾重にも幾重にも続く、山並みだけでした。
高見山に上って見た瀬戸内の島々。 雲海が出たときの山に似ていました。  

 
■旅のスタイル

 年を重ねるということは、いいこともたくさんあります。
記憶にしても、新しく入るものより、忘れることのほうが多いように思います。
ですから、がむしゃらに上を目指していた若い頃と比べると、
力むこともなく、欲張らず、的を絞り、楽しみながら淡々とやるようになった気がします。

 今回の旅も、「B&B潮風さん」に「連泊」したのが良かったです。
「青春18きっぷ」を持ちながら使わない日があったのも、良かったのかも知れません。
そのことで、未知の島を巡ることが出来ました。

 国土地理院の1/2500地形図。 
これは優れものです。全国、同じ尺度で判断できます。
たくさんの情報がありながら、余分なお仕着せ情報がない。
例えば、観光コースのお立ち寄り所。 地形図の上では、黒い小さな点々や塊でしかありません。
何の説明もない、あるのは等高線と地図記号だけ。
集客側の作戦にはまることなく、地形を読んで、自分の行きたい所へ行けるので、何を見ても新鮮で、いろいろ発見があります。
 発見も、旅の楽しみの一つに思います。

 でも、どこがおいしいお店かは、地元が頼り。
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 「B&B潮風」さんが、実地調査した手づくりの「おすすめMAP」です。
大いに役立ちました。 宿泊者はいただけます。

  「B&B潮風」さんのHPです。
     http://island.geocities.jp/sonoo_py/home.html



  

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