2009年春 「青春18きっぷ 小さな旅」 ⑤尾道

4月8日 
 島巡りの後、尾道の街に出て浄土寺山へ登ったのですが、その往き帰りの街の中で眼にとまったことについて書きます。
 浄土寺山については、「番外編 三角点・尾道」をご覧ください。

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 「林芙美子像」です。昨夕は道路の反対側を通ったので気づきませんでした。
 「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」の花は、何をさしていたのだろうか?
自分自身の人生を花に例えたのだろうか? あるいは何となく生きている私たちへのメッセージだったのだろうか?
 「放浪記」は半自伝小説と言われています。 昭和初期にあって、あの自由奔放さと情熱は、どうして生まれたのだろうか? 他人を気にすることなく生きたように思える芙美子。 生きるためなのか、愛のためなのか、あるいは私たちには判らない芙美子自身の心がそうさせたのだろうか。 貧困の中にあって、母への絆と、文学への想いを保ちながら、明るく生きた林芙美子。
「林芙美子像」を見ながら、しばし、そんなことを思い巡らすのでした。
 
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 昨夜、乗せていただいた「福本渡船」です。
 今回宿泊でお世話になった「B&B潮風」さんによれば、尾道の街から向島への渡船は複数あり、西から①向島運航(通称:駅前渡船)…尾道・駅前~向島・富浜 、②福本渡船…尾道・土堂~向島・小歌島 、③尾道渡船…尾道・土堂~向島・兼吉、④宮本汽船…尾道・山波~向島・肥浜 があるとのことでしたが、駅に近い駅前渡船が、向島側の桟橋が落ちて運休中でしたので、「B&B潮風」さんに教えていただいた「福本渡船」に乗ったのでした。
 私の渡船へのイメージは、航路が1~2本と思っていましたので、「これだけたくさんあって、それも、朝早くから夜遅くまで、安い料金で数分おきに出ているのには驚きました。」と言うと、「島の足ですから。」との答え。
そのときは、よく理解できなかったのですが、何度か往復しているうちに、いつの時間帯も利用者の多いことで、理解できたのでした。 なるほど、人口2万5千の向島の通勤、通学、買い物などの足になっているのです。
 ちなみに料金ですが、「福本渡船」の場合、大人60円。 普通車(4m以上5m未満)で100円(ドライバー1名分含む)です。
 「福本渡船」場から東に1.2Kmほど離れた橋を渡った場合は150円でしたから、街へ来てからの駐車場の問題なども考えれば、利用者にとっては渡船の恩恵は十分あるようですが、経営的には、ご苦労があるかと思われました。

 渡船についての詳細は、下記の尾道市港湾振興課、航路、旅客船HPをご参照ください。
       http://www.bbbn.jp/~kowan/sightseeing/map.html#guide1

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 向島へ向かうときの船内です。 帰宅する高校生たちがたくさん乗っていました。

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 尾道水道の船たちが、旅情をかきたてます。対岸は向島です。
瀬戸内は波が穏やかなせいか、通常の港のような防波堤などは見当たりません。
海を見ることのない所で育った私にとっては、このような海は、一日見ていても退屈することはありません。

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 年代ものでありながら、現役の井戸です。とてもきれいにしてありました。
 向島もそうでしたが、尾道の街中のいたる所に、このような井戸がありました。
尾道に限らず、雨の少ない瀬戸内地方の人々の水への想いが、「水を大切にする文化」を築いて来たのでしょう。 いろいろと教えられました。

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 尾道の街は、街全体が博物館のようで、古い物が大切にされていました。
ただ、気がかりは、シャッターを閉めたお店が多いことです。
これは、日本のほとんどの商店街で起きている現象ですが、車時代になってしまった現代は、郊外型の大手スーパーなどに押されてしまいます。
 でも、尾道では、地形的制約などの影響か、車での買い物客は少ないようでしたが、明るい時間帯には、買い物客がいますので、工夫して行けば生き残れそうです。
 私たちは、どうしても楽なほう、便利なほうへと向かってしまいますが、多少の不便を苦にしないことや、尾道の方々が実践されているように、物を大切にすることが、シンプルで人間らしい生活に思います。
お金も、貯め込むと、いいことはありません。 少ないお金をやり繰りして使うほうが、物も大切にしますし、余分なものを買いません。 
 需要を考えず、シャッターを下ろした所に同じような店を作り、結果過当競争になって、閉店、新規開店を繰り返すよりも、いっそ、それらの空間を小公園などにして、そぞろ歩くことが楽しくなる街を目指すのも、尾道の街全体を考えたときに良いように感じました。
 旅人も、街で暮らす人も、足を止めて休んだり、物思いにふける空間は必要ですから。


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