地形図とコンパス片手に

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 4月4日(土) 曇りときどき雨

 今日は、新人を交えた山のスキルアップ講座です。
登る山は、愛知県では最も多く登られているとの「猿投山」です。
「なあんだ、何十回も登っている山なんかつまらない…」でも、でもです。

 今日のコースに入ったみなさんは、きっと新鮮さを味わっていただけたと思います。
なぜなら、登山道のないところを行くのですから。


■講座の背景 
 ゆとりが出来たのでしょう。 中高年の登山ブームが続いています。
オーバーユースの問題もありますが、健康のためには、いいことと思います。
しかし、各地で遭難騒ぎが頻発しています。
 古いデーターで恐縮ですが、2007年度の国内の山岳遭難は1417件(1853人)で、
その81%を40歳以上の中高年が占め、増加傾向にあります。
 原因別で一番多いのが「迷い」で39%、以下「滑落」15%、 「転倒」11%と続きます。
なぜでしょう。
 迷った要因としては、
   地図の不携帯
   地図の見方が解らない
   リーダーにアクシデントが発生し他の者では判断出来なかった
   疲れてしまい焦りが出た
   あるはずの標識や道がなかった
   テープを頼りに行ったら判らなくなった
   枝道がたくさんあり判らなくなった
などが上っています。
 体力の衰えている中高年の「あなた任せの、何とかなるだろう登山」が多くなっているようです。
 登山が他のスポーツと違う点は、厳しい自然の中に長時間身をおくことにあります。
このことを理解していないと、体調や天候の急変時、対応が困難となり、遭難騒ぎを引き起こします。
 せめて、山で迷わず、楽しく安全な登山をしましょう!
と、企画された講座の講師をした関係で、そのときの生徒さんたちがスキルアップのためのクラブを作られ、新人も増えているとのことで、時々、一緒に山歩きをしています。


(ご参考)
 昨年2月4日、広島と島根の県境にある怖羅漢山で、「スノーボーダー7人遭難か!」とのニュースが流れ、迷ったのではと思われましたが、当事者に取材して判ったのですが、迷ったのではなく、戻る時間がなくなり、島根県側の廃校に避難し、翌日、自力で林道を下っている途中で捜索隊に発見されたのでした。
 彼らは、地形図もコンパスも持っていて、使いこなせたから廃校にたどり着けたのですが、谷間で、携帯電話がつながらず、結果、大騒ぎになってしまい、不幸にもパッシングを受けてしまったのでした。
 反省点は、午後からスタートしたこと。楽しさのあまり島根側に下り過ぎたこと。技術を過信していたことのようです。 やはり、山では油断は禁物と言うことのようです。
 7人とも、無事帰れたのは、幸いでした。
 →今後の再発を防止するためには、スキーのツアーコースのように、ゲレンデでは飽き足らなくなっている上中級スノーボーダーのためのツアーコース整備も必要に思います。

 私たちは、遭難や、遭難騒ぎを起こさないように、謙虚に山と向かい合いたいものです。


■今回のもようです。

 新人さんは、全員ご婦人でした。
中高年になると、男性と、ご婦人では、どうも積極性やパワーが異なるようです。
この辺にも、女性が長生きされる鍵があるように思います。

 国土地理院の地形図とコンパスを使い、道のない山を歩きました。
道のない山と言っても、尾根筋は「けもの」が夜な夜な歩いていますから、踏み跡がたくさんあります。
目をつぶっても、「けもの道」は、足の裏の感触で判りますね。 
ただ、人間のように、彼らは頂上だけを目指していませんので、枝道がたくさん出来ていますから、それらに惑わされることなく、自分自身で地形図を見て、現在地を確認しながら歩く必要があります。
 「ふむふむ」
 「沢の分岐に出たから、この正面の尾根を登れば良いはずだ…。」
 「でも、ちょっと急だね。」
 「次は耳かきを目指そう。」
 「耳かきの次は奥歯、その次はカタツムリ…」
少し距離を置いて見守っていると、いろんなつぶやきが聞こえて来ます。
 
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 ちなみに、「耳かき」や、「奥歯」、「カタツムリ」は、地形図に現れた地形上の特徴を言っているのです。
みなさん、田の平池から山頂を目指したAグループの人たちが言う、「耳かき」や、「奥歯」、「カタツムリ」が添付の地形図のどこか解りますか。
地図をクリックして確認してみてください。なるほどと思われるはずです。
 迷わないためには、より近くの地形状の特徴のあるところを確認しながら進むことです。  「THUMB READING」 (親指を現在地に!)です。

■余談
 合流点のピークにはAグループが先に着き、しばらくしてBグループが着きました。
でも、なぜか、みなさん雨具を着けていたのです。
向い合った尾根なのですが、Aグループは降られずに、Bグループは降られたのでした。
 やはり、雨の可能性が少しでもあるときは、山では雨具が必須ですね。
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 少し時間が早かったのですが、合流点のピークで食事の後、再度、2グループに別れ、東の宮へ無事到着し、お礼のお参りをしたのでした。 
 東の宮の後は、一等三角点のある山頂を経由し、東尾根と国境尾根に分かれて、無事下山しました。
 ミツバツツジがきれいでした。健康に感謝です。

■参加者感想
 「猿投に、こんな所があるなんて、知らなかったぁ~。」
 「途中、他の登山者に一人も会わなかったね。」

 そうです。食事を終え、一般道に合流するまで、動物たちと、みなさん方だけでした。
地形図とコンパスを使いこなせるようになると、迷わないだけでなく、山の良さが十分に味わえるのです。
 さあ!これからは、他人の背中をついて行く「金魚の糞登山」からは卒業し、自立した山歩きを楽しみましょう。

■ストック(杖)を考える
 気づかれた方がいたかもしれません。今回のメンバーは、ストックを使っている方がいません。
 最近、両手にストックを持って歩く登山者が多くなっていますが、
 楽なようで、マイナス面もあります。
 力を掛け過ぎて、ストックが折れ、怪我をした方もいます。
 山におけるストック(杖)は、バランスをとるためと考えましょう。
 登りよりは、下りに、正しく使えば有効です。

 ところで、
 急な斜面では、邪魔になりませんか?
 手が塞がっているので、岩場でも困りすね。
 帰りの電車の中では、ご迷惑をお掛けしていませんか?
 道が傷み、植物が被害を受けています。
 できれば、自分のことだけでなく、
 そんな自然のことなどにもご配慮いただけると、うれしいです。

 なぜ、2本の方が多いのでしょうか?
 考えて見てください。
 まさか、売り上げにご協力と言うことではありませんね。
 ストックを使うなら、木の杖1本で十分です。
 それと、どうしても買いたいと言う方は、握りが曲がっているステッキタイプより、
 スキーと同じ、ストレートタイプですよ。
 ステッキタイプは、体重をかけてしまいがちで、万一の場合、手首もケガします。
 それより、足腰と、バランス感覚を鍛えましょう。

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