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help リーダーに追加 RSS アサギマダラと、オオソリハシシギの飛行記事で

<<   作成日時 : 2008/11/03 17:23   >>

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 二人の友人から、前後して、シギと蝶の渡りに関する新聞記事の情報がメールで入りました。
@アサギマダラ(♀)が800キロ飛行 
 「アサギマダラ津軽海峡を渡る。北海道→愛知800キロ 再捕獲、南下ルート裏付け、…北海道松前町で道南虫の会が「ハコダテ」などと羽にマーキングし放した♀の蝶が、愛知県の三ヶ根山で、長野県飯田市の会社員によって再捕獲。」(10月24日付中日新聞朝刊)
Aオオソリハシシギ(♀)が、1万1千キロ飛行
 「アラスカで繁殖する渡り鳥のオオソリハシシギ(♀)が、1万1千キロも休まずに太平洋を縦断する能力があることが、米地質調査所の研究チームの人工衛星による追跡で確認した。」(11月2日付朝日新聞朝刊)
という内容です。

 実は、アサギマダラの記事に関しては、マーキングの是非について、友人たちと考えていたのです。

 私の考えは次の通りです。
みなさまは、いかが受け止めでしょうか。
 ご意見をお聞かせいただければ幸いです。

アサギマダラのマーキングについて
 @蝶がどれだけ飛んだかがクローズアップされた記事になってしまっていて気がかりです。
 A飯田の方が、メディアに知らせたことで、見よう見まねでマーキングをする人が増えそうです。
  …こんなスポット情報は、流す必要がありません。データーは、目的に合った使い方が大切です。
  N=1では、ものは言えません。
 最も、距離だけに興味を持つのであれば、N=1でも、今回のようにアピールできると思います。
 Bアサギマダラにとって、マーキングって、してほしいことでしょうか?
 C本質を忘れているというか、気づいていない気がしました。

 どんな生きものも、食う寝る(休む)、(子孫を)残すことが重要ですから、
再捕獲率が極めて低いマーキングでルートを調べるよりは、幼虫の食草や、成虫の吸蜜植物の確保、休憩する環境などがなくならないようにすることが、人間側がお手伝いすべきことのように思います。 マーキングによる蝶へのダメージや、自分で消すことの出来ないマーキングは問題と思います。
人間で言えば、本人が望みもしないのに押さえつけて刺青をするに等しいと言ったら、言い過ぎでしょうか。

 マーキングをされている方にお尋ねします。
アサギマダラは、増えているのでしょうか?
減っているのでしょうか?
減っているとしたら、あなたはマーキング以外に何をやられていますか?
マーキングは、一部の人の楽しみにはなるかも知れませんが、アサギマダラのためになっているとは思えないのですが。

 アサギマダラも、その他の生きものも、一生懸命生きていると思います。
人間が、自分の興味で、それを犯してはいけないと思います。
 以前も発信したように、アサギマダラのマーキングについては、阻止行動まではしませんが、反対で、組しないスタンスです。

 インターネットが普及したことで、安易なマーキングが各地に広がり、かえって、アサギマダラの生息に悪影響を及ぼすことも考えられます。
 野鳥の場合は、一定の訓練と座学を受けて、基準に達した人が、環境省の委託標識調査員として認定され、山階鳥類研究所の指示と指導の下で標識調査を実施しています。
それでも、いくつかの問題が指摘されていますから、アサギマダラのように見よう見まねで、いろんな方が関わるやり方は、賛成出来かねるのです。
 良かれと思ってしていることも、しっかり考えてやらないと、思わぬ結果をもたらすことは、過去に、たくさんの事例があります。
 最近では、海外井戸掘りボランティアの掘った井戸水が、ヒ素に汚染されていて多数の犠牲者が出ました。

 友人で、次のようなメールを入れてくれた人もいます。
人として、自然への素直な感動が出ていると思います。
 「三ヶ根山で再捕獲されたハコダテマークの個体は、およそ800kmを13日間で移動したことになります・・北海道からは初記録だそうですが、岡崎近辺から喜界島(九州)に飛ぶものも、思ってる以上の速度で短期間で飛ぶらしいので驚きます。
 蝶というと、優雅に、ゆっくりふわふわと、かよわく飛ぶイメージでしたが、アサギマダラは渡りをする蝶というだけあって胴も太いし力強い蝶だと思います。
 10月に伊良湖岬から渡るアサギマダラをみていると、波うち間際を懸命に渡っていく姿は感動です。
 みなさんも機会があれば、是非いちどお出掛けになって御覧ください。」
画像

 写真は、友人のT.IWATAさんが、ふるさと木曽で撮られたアサギマダラです。

オオソリハシシギが、1万1千キロ飛行
 オオソリハシシギが、休まずに1万1千キロを飛ぶとの記事は、生きものってすごいなぁ。と改めて思いました。
 種として見たとき、ヒトは、今の地球上で一番のさばっている生きものではないかと感じています。
もちろん、つつましく生きてられるヒトも、たくさんいます。
ただ、人には知恵と欲があったがために、文明を発達させ、地球上における今のポジションを掴んだように思います。
 しかし、オリンピックのメダリストでさえ、オオソリハシシギのような運動能力はありません。
体の大きさから言ったら、トノサマガエルの跳躍力よりも、ヒトの能力は劣っていると感じています。
 でも、なのです。全てが、そうです。
生態系と言う、本来、あらゆる生物が含まれる空間の枠外に出てしまって、他の生きもののことは、人間の眼を通してだけ見ている、自分勝手な生きものに思います。
 気に入れば可愛がり、大切にし、必要なら食べ、気に入らなければ殺す。
その上、自然界に存在しなかった生きものまでをも創り出し、さらに創ろうとしています。
 生きものや自然を、自分好みに変えたり、自分の都合のいいようにしようとしています。ペット化や、蛍を養殖して放し、光を楽しむことや、クローン○○などは、それらを端的に表しています。

 人間は、欲がありますから、いろんなことを知りたくなります。
今回のオオソリハシシギの渡りの記事は、発信機や人工衛星がなければ、よほどの数の標識調査をしない限り、ルートは判っても、休まず飛んでいることの証明は困難です。

 キョクアジサシ(極鯵刺)という鳥がいます。
標識調査の結果では、北極で生まれた同一個体が、南極まで渡っていることが解明済みです。
 多分、今回の調査をした人たちは、キョクアジサシについても、発信機を付けて、一気に飛んで行くかを確認しようとしていると思われます。
あるいは、他のグループが実行中かも知れません。
 でも、鳥たちにとって、発信機を付けさせられて、再放鳥され、追跡されるこの行為は、果たしてプラスになるのでしょうか?
いかがでしょうか?
一人一人が考えて見ることは、とても大事なことに思います。
 私たち人間は、新聞を読めますので、すごいなぁ…と思えるわけですが、彼らは、そんな記事で、ヒトである人間が騒いでいることさえ知らないと思います。
かように、人間の欲望は限りがありません。
 今回のことは、鳥のためでなく、自分たちの知りたいとの欲望を満たすためにやっているのでは…と思えるのです。

 渡りのルートを調べることは、休憩地の保全に役立ち、結果、それらを利用する生物のためになります。
しかし、ノンストップかどうかは、人間が知ったからと言って、鳥たちにとって得るものは何でしょうか。
下手をすると、ラムサール条約で保護されたり、それに準じたような水辺を開発してしまう根拠にもなりかねません。
彼らはノンストップで移動するから、途中下車駅は不要と。
うがった見方ですが、そのように言う輩も出る恐れはあります。

 40年ほど、観察会やら、いろいろと、自然と人間の橋渡しのようなことに関わって来ました。
年々、自然に関心を持つ人、保護を声高に言う人は増えていますが、でも、なんです。
ちっとも、自然は良くなっていないのです。
40年前と比べたら、年々悪化しています。
 人間の生活が自然と離れてしまい、放置され、荒れていたり、圃場整備や、開発で損なわれた所へ、観るだけ、触るだけ、楽しむだけ、珍しいものを求める人が増えてしまっています。
 それも、自分の好みの植物や、生きものだけへの関心や偏った思い入れ(愛情)です。
 先日開かれた奈良の「ため池シンポ」で、一緒に働いて来た写真家の伊藤ふくおさんが言ってられました。
蝶は好きだが、芋虫や毛虫は嫌い、蛍は好きだが、幼虫は嫌い…。
そんなヒトが増えていますと。
子供は手にとって観たいのに、汚いとか、悪い虫だからと遠ざける。
あれでは、本当の自然とのふれあいにならないし、子供は自然の楽しさも、素晴らしさも、怖さも理解出来ないと。
同感です。

 アサギマダラのマーキングも、私には、人間側の知りたいとの欲望が優先されているように思えます。
 発信機を取り付けた調査より、マーキングは、取っ付きやすいだけに、一般のヒトをあらぬ方向へ巻き込む危険性を含んでいます。
 関心がいくら高まっても、これだけ荒れたり、開発等で損なわれた自然は良くなりません。
 楽しみの数分の一で良いから、生きもののために汗を流すことを、みんながすれば、かつての素晴らしかった日本の自然が戻って来ると思います。
 私たちの世代は、素晴らしかった日本を体感している世代ですから、次に続く人たちに、その想いも伝えて行くことが大切と思うのです。
 日本の自然は、今、病んでいるのです。
楽しみだけで自然と接するスタンスでは、益々症状が悪化して行きます。
 ちいさな子供たちのためにも、私たちが知っていた素晴らしい日本の自然を、
50年掛けて、取り戻したいと思うのです。


 損なわれた自然を、どう甦らすかは、試行錯誤です。
やり過ぎてもいけないと思っています。
結果を急がず、時間をかけて、続けることが大切と思っています。
判断に困ったときは、どちらが生きものにとってより良いか…との視点でと思っています。
 安易に行動せず、よく考え、自然界や、昔のやり方から学ぶようにして行けば、より良いほうに向かって行くと思っています。


 (ご参考)
      「第3回 ため池シンポジウムinなら」の報告
      「残そう!ため池」
     http://tameikes.blog59.fc2.com/blog-date-200810.html

     

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